鮪のシマハラ

「鮪のシマハラ」を支える仲間たち① 清水典彦

飲食業界に入って20年ほど。慣れて少したるみが出てきたかなと思い始めたタイミングで、「鮪のシマハラ」の募集を知りました。

島原さんは私と同い年。45歳で、新たに飲食ビジネスを始めるという。中国で成功しているのに、それを捨てての挑戦ですから、ガッツあるなあと。

その心意気に共鳴し、私も創業メンバーに加わりたいと思いました。

 

これまでいろんな店を経験してきましたから、飲食業の厳しさは知っています。でも、私には合った仕事だと思います。接客が好きなんですよ。

どの店も、もちろん料理が主役なのですが、それと同じくらい接客は店の要だと思うんです。人が人を呼ぶ、そういう世界。

例えば、一度いらしたお客様がサブキャストとして友人をお連れになって、「清水さん、こいつにちょっとマグロの説明してあげてよ」と言われる。これはもう、意気に感じますよ。

 

そら、来た!と トークにギアが入る。まずは、看板の<本マグロとインドマグロの刺身の食べ比べ>を勧め、その日一番のマグロについてひとしきりお伝えしたら、当店ならではのマグロの部位料理へと移ります。<ホホの焼肉>、<ネギユッケ>…。私のトークを聴きながら、みなさん、面白がって食べてくださる。でも、そのうちマグロも宴席の主役から退いてしまうんです。喋って、笑って、和やかで賑やかな空気だけがその場を占領していくんです。

 

あっちのテーブル、こっちのテーブルと繰り広げられる会話がBGMのようになって、店内に熱気がこもっていく。こうなると、嬉しいですよ。この状況を作るのが、私の仕事のゴールなんです。

 

私が、こうありたいと思う店があります。飲食店ではありません。ここ10年間、毎週一回通っている美容室です。

60歳くらいの親父さんで、電話をするといつも「ああ、清水? いつ来んの?待ってるよ」って言ってくれる。行くと必ず同じ手つきで同じ髪型にしてくれる。

こういう安心できる空気感こそが、私が大事にしたいと思うもの。

「鮪のシマハラ」に行けば、清水がいるよ、安心するね。そう言っていただける居酒屋にしていきたいですね。

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