鮪のシマハラ

鮪のシマハラ応援団③  林倫広(はやし・ともひろ)さん

林倫広さん

The Dressing Lab.店主
The Dressing Lab.
https://thedressinglab.tokyo

 

私はオーダーメイドの紳士服のフィッターでして、島原さんのお洋服の仕立てを10年以上担当させて頂いています。お客様の中でも島原さんはことに個性的ですが、洋服屋として実感した島原さんの最大の特徴は、「確認魔」。オーダーメイドの服なので、皆様に仕上がりを鏡の前でご試着頂いて確認頂き、必要に応じて調整を承るのは当たり前のことなのですが、島原さんの場合はその確認が半端じゃない。鏡の前で徹底的に見る、何度も似合っているか聞き、電話でも聞いてこられる。街に出てもウインドーに映る姿を確認し、少しでも不安があったらすぐに確認に来店されるのです。私もとことんお付き合いし、本音でアドバイスしながら島原さんの納得されるところを探ります。プロのフィッターとして、全部言われた通りにしてもいけないのです。確認が嫌なわけではありません。むしろ、馴れ合いにならず、何十着オーダーされても常に最初の1着のように真摯に洋服と向き合い、どうすれば格好良いか(痛いオジサマになっていないか)を確認される島原さんのお役に立てるのは、仕立て屋冥利に尽きます。

 

なぜ、そこまで「確認魔」なのか? 一つには私が島原さんと同じくらいの背格好なので分かるのですが、小柄だからこそ洋服に着られている風に見せたくない。だから、サイズ感や全体のバランスにはとてもシビアですし、「本当にこれでいけてるのか」と用心深くなります。また、ここが素晴らしいところだと思うのですが、着こなしに対して独りよがりじゃないのです。常に周りの目にどう映るか、不快感を与えないか、時代とずれていないかを気にかけていらっしゃる。これは紳士の要件です。

 

そんな「確認魔」という島原さんらしさが、「鮪のシマハラ」では全開で発揮されているのではないでしょうか。社長の身でありながら1日も欠かさず店に立って自らオーダーを取り、お客様一人一人と話し、マグロを熱く語る。それはきっと、自分の目と耳と直覚で、自分の提供したいものとお客様が求めているものがフィットしているかどうかを確認されたいのだと思います。スタッフの皆さんも、島原さんに負けじとサービスの動きや気配りが素晴らしい。いつ行っても、居心地は最高です。居心地が良すぎて長居して呑みすぎてしまうのが悩みどころですが。

 

私もちょうど時期を同じくして、紳士服のオーダーサロンを立ち上げました。店主が心から楽しくないとお客様に本当に楽しんで頂くことはできないし、店主にとって居心地が良いウツワであってこそお客様にも良い時間を提供できる、そこは店づくりにおいて徹底しました。島原さんもきっと同じだと思います。接客で見せるお調子者の、ガハハと笑うあの姿。こっちまで楽しくなります。私はまだ商売を始めたばかりで偉そうなことは言えませんが、商売をしていると苦しい時は必ずあると思います。でも、島原さんらしく大風呂敷を広げて、炸裂トークを現場に響かせて、どんどんお調子者になって楽しんで下さい。栄えあるチームちんちくりんの同志として、共に頑張りましょう!心から応援しております。

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