鮪のシマハラ

鮪のシマハラ応援団②  いなむら純子(いなむら・じゅんこ)さん

いなむら純子さん

洋菓子研究家(ル・プティ・プレジール主宰)
http://www.le-petit-plaisir.com/

 

島原君は、新卒で入ったベンチャー企業の同期生でした。入社当時から、パワーにトーク力、プレゼン力と何につけても突出して目立っていました。何か絶対やるに違いないと上司からも同期からも一目置かれ、事実、成果も挙げていたんです。結局、彼も私も会社を辞めて違う道に進むことになりましたが、二人とも自分で何かやりたいというタイプ。妙に気があって、以来、同志的なお付き合いが続いています。

 

上海から戻り、「鮪のシマハラ」を始めると聞いたとき、私は直感的に面白い!と思いました。彼は、熱く語りました。「まだ、日本人は本当のマグロのうまさを知らないんだ。マグロ、マグロと言ったって、本マグロやトロばかり、それも寿司や刺身だけで満足してるんじゃあね。マグロを丸ごと1本食べ尽くしてみないことには、マグロの真価は分からないよ」。この強気! もう、ワクワクしましたね。上海時代の、ビッグになりたいというむき出しの野心から脱皮して、マグロ愛が純粋に強くなった。そこに共感したし、一度リセットして新たに事を始めようとする人間の底力を感じたんです。創業メンバーとして加わりたいと思ったくらいです。

 

友人を連れていくと、マグロでこんな料理が食べられるのって驚きます。まず、マグロが焼いておいしいとは思わなかった。一見パサパサしそうなのに、シンプルに焼くだけで、肉みたいに、いや肉以上にとろけて、うまい!って。私も、仕事柄、食のトレンドには目配りをしていますが、これからは、島原君のマグロのようにマニアックなものが生き残る時代なんじゃないかしら。外国人にも絶対受けると思います。私も知り合いが日本に来たら、必ず連れていこうと思っています。

 

ただ、女性の視点で言うと、こうしてほしいという点がまだまだあります。ちょっと味が濃い、とか。量が多すぎるんじゃないの、とか。彼は、人の意見もいいと思ったらすぐ取り入れる柔軟さがあるから、1カ月後には、以前から頼んでいる締めのマグロお茶漬けが加わっているかも(笑)。これからも、遠慮なくモノを言い、オファーを出していきます。それが、同志的友人の応援だと思って。

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